土の中で育つ、栄養満点の不思議な豆
落花生、ピーナッツは、大豆についで生産量が世界第2位の人気者。この落花生、ピーナッツの知られざる秘密に迫ります。
落花生=ピーナッツ?
落花生、地豆、ラッカセイ、なんきん豆、ピーナッツ…。名称は違いますが、すべて同じ豆です。では、どのような定義で名称が変わるのでしょうか。
- 落花生(地豆、ラッカセイ):しわしわの硬いサヤに包まれた状態
- なんきん豆:サヤから取り出した、赤茶色のうす皮に包まれた豆(種)
- ピーナッツ:うす皮をむいた豆(種)
日本では主におつまみ(スナック)として食べられていますが、中国ではピーナッツオイル、アメリカではピーナッツバターとして利用されています。
落花生(ピーナッツ)にはタンパク質、ビタミンE、ナイアシン、ミネラル、脂肪が豊富です。特に落花生の脂肪は悪玉コレステロールを含まないので、安心して食べられます。
収穫は“落花生掘り”?
花が咲いたら土中へまっしぐら!
落花生の学名はアラキス・ヒポゲア(Arachis hypogaea L.)。ヒポゲアとは「地下に実ができる」を意味します。
落花生は黄色い花が咲いて受粉すると、子房柄(しぼうへい)という部分が発達し、土を目指して延びます。
子房柄は土中3〜5センチもぐったところでサヤを作り、サヤは土中の栄養を吸収して丸々太ります。落花生のサヤにはシワシワがありますが、これは繊管束(いかんそく)という栄養や水分をピーナッツ(種)に運ぶ役目を持っているのです。
いざ、収穫だ。穴掘りだ!
受粉後、約2カ月で落花生の収穫です。サヤを傷めないように注意しながら、株ごと引っこ抜き、逆さにしてサヤを乾燥させます。乾燥期間は約2カ月、風通しの良い場所であせらずじっくり中まで乾燥させます。
そして落花生を採取し、サヤから取り出せばなんきん豆、うす皮をむけばピーナッツになるのです。
日本人が愛した落花生

落花生の原産地は南米アンデス山麓です。ヨーロッパの探検家たちが自国に持ち帰り、アフリカ、インド、中国へと広まっていきました。日本へは江戸時代に中国からやって来ました。
明治時代になると神奈川県で栽培が始まり、千葉県とその周辺、および九州や東海地方でも栽培されるようになりました。現在、「千葉半立種」「ナカテユタカ種」などの風味の強い品種が栽培されており、総収穫量(約12万トン)の70%が千葉産です。国内で生産される落花生・ピーナッツは、消費量の15%程度に過ぎず、ほとんどが輸入に頼っています。
栄養の豊富な落花生、ピーナッツは、もはや私たち日本人の定番のおつまみ、スナックです。